空手を始めることについて
習い事で新しい自分を見つけたいと考えることもあるが、そんな中
あえて空手を選ぶ場合について、自分の例を紹介してみたい。
学生の頃から日本らしい武道としてその勇ましさに憧れがあり、い
つかは入門したかった。ただ既に社会人なので、恐怖と恥ずかしさ
から先延ばしにしてきた。しかし、そんな態度こそ空手の潔さに逆
行するものだと恥じ入り、思い立って門を叩くことにした。
といっても、まずは区の会報に案内のあった「区主催 空手教室
全5回」という道場色の薄いものに参加することからにした。予想
通り、年配の穏やかな先生が立ち方・技の手順を優しくガイドして
くれ、参加者にはOLの女性もいた。全5回で学んだことは空手用
語とその概要で、基礎稽古のさらに上澄みを知る、というものだっ
た。
これでは入門したとは全く言えないが、これで私にとって道場の門
を叩くハードルはかなり低いものとなった。
5回目の教室の終わった直後、その勢いを借りて通勤路の近くの道
場の門をまさに叩いた。飛び込みだったが親切な師範に迎えられ、
隅で見学した。生徒は3名おり、型の練習をしていた。師範と直接
話せたこと、3名の生徒も紳士的に見えたことから早速次週から体
験入門することにした。
体験では体力的にもついていけ、先輩も細かく指導してくれたので、
正式入門することとし、2時間x週2回の道場生活が始まる。
実際生徒は10名程の学生・社会人なので、曜日により出席できる
者がまちまちだ。もちろん大学生の黒帯へも頭を下げて指導を請う。
「そんなこといいですよ」と言われるも、黒帯への尊敬もあり自然
とそうなる。その代わり人一倍稽古し、土日は密かにジョギング・
型・組み手の練習も行った。
時おり行われる黒帯との防具なし実践組み手では傷だらけになった
が、そうして2年半ほど必死でやるうち、なんと当初は想像できな
かった黒帯を習得することができた。
今はいくらでも強い者のいることを知っているので、より謙虚に空
手に励み、それを後輩へも指導する。強い者は偉ぶらない、とはこ
ういうことかと今では自然に理解できる。
以上ご参考いただき、迷っている人はまず恐怖に飛び込んでみては
どうだろう。
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